2015年7月31日金曜日

なかいま強先生の「うっちゃれ五所瓦」

昨日、河合克敏先生の「とめはねっ!」について書いたので「帯をギュッとね」についても触れて、いわゆるスポ根マンガについてつらつらと考えてみました。
少女マンガでいえば「アタックNo.1」「エースをねらえ!」どちらもTVアニメで夢中になって、後でマンガを読みました。とにかくスポ根マンガの共通点は体とその動きを描くことができる画力の高さでしょうか。
しかし、リアルタイムにスポーツ物の少女マンガを読んだ記憶があるのは、酒井美羽先生の「セーラーブルーの青春」だけのような気がします。酒井美羽先生の「セーラーブルーの青春」は、中学1年生の杉沢都が主人公の水泳マンガで、本人は軽い気持ちで入った水泳部で選手としてどんどん成長していくという物語でした。
花とゆめもLaLaもスポーツ物はあまりありませんし、羅川真里茂先生の「しゃにむにGO」の時には既に花とゆめは卒業していました。

一方、少年マンガにはスポーツはつきもので(今はどうなのでしょうか?)1990年頃には、野球、バスケ、サッカー、ゴルフなど色々ありました。1990年前後は、ちょうど御茶ノ水の専門学校まで電車に乗って1時間40分という通学時間を利用して週刊少年サンデーと週刊少年ジャンプを定期購読していた時期でした。
その中で私が最も好きだったマンガが1988年から1990年まで週刊少年サンデーに連載していた なかいま強先生の熱血相撲マンガ「うっちゃれ五所瓦」でした。1898年に小学館漫画賞も受賞しています。
「うっちゃれ五所瓦」は、武蔵山高校の最後の相撲部員 五所瓦 角(ごしょがわら かく)が、団体戦に出場し優勝するという夢のために自分を含めて5人の部員を集め、大会に挑むという物語です。とにかく、登場人物が個性派揃いでした。相撲は強いけれどどもりながら話す五所瓦、柔道部主将の清川薫とレスリング部のホープ関内孝之の二人はその強さで五所瓦を支え、ひ弱で小賢しい応援部の難野一平は卑怯な技を使い笑わせてくれます。囲碁将棋部の雷電五郎は、相撲部員らしい見た目なのに超気弱で、この5人でどう勝ち進むのかハラハラしながらわくわく読みました。対戦相手も変な人がたくさん出てきました。でも、相撲そのものは正統派で、マンガによくあるありえない必殺技などはありませんでした。清川は柔道技、関内はレスリング技を披露する場面があり、難野の卑怯な小技はマンガならではのギャグ要素でした。

とにかく、あの手この手で勝ち進む武蔵山高校相撲部を描いたなかいま強先生の「うっちゃれ五所瓦」は最高です!