2015年7月7日火曜日

羽海野チカ先生の「3月のライオン」

先日、息子の幼稚園で知り合ったママ(世間的にはママ友というのかしら?)とマンガ話をしました。
「おすすめは?」と聞くと羽海野チカ先生の「3月のライオン」とのこと。そういえば、羽海野チカ先生の「ハチミツとクローバー」は全巻大人買いして、娘を妊娠している時に、つわりのために布団でゴロゴロ苦しみながら読みました。2006年の秋のことなので9年前です。
羽海野チカ先生の「3月のライオン」は、白泉社で月2回発行の青年マンガ雑誌「ヤングアニマル」に連載中で、単行本はジェッツコミックスとして10巻まで出ています。2011年にマンガ大賞、講談社漫画賞、2014年に手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞していて、気になっている作品でした。それで、いつだったか一度、雑誌を立ち読みしたのですが、人物の心理描写が暗くて「複雑そうだ」と感じて、それ以来手に取っていませんでした。
幼稚園のホールで一生懸命体操をする息子を応援しながら、「3月のライオン」の内容を尋ねると「将棋の棋士」の話とのこと。「将棋の棋士」!?そうですか。私、何も知らなかったのですね…。
小学3年生の娘が今、将棋に興味を持っていて、4年生から学校で参加することになるクラブ活動では「ゲーム部」で将棋をやりたいと言っていたので、初心者向けの解説などあったら「娘のために」と言って買ってもいいかなと思い(本当は自分が読みたいだけですが)とにかく調べてみることにしました。
家に帰って早速ヤングアニマルのサイトから「3月のライオン」のオフィシャルサイトのボタンを押すと…ヤングアニマルのTOP PAGEは青年誌らしい作りなのですが、「3月のライオン」の可愛らしいこと!
http://3lion.younganimal.com/
猫のがま口や、手芸マスコット、ストラップ、羽海野チカ先生のおなじみの動物キャラがあちこちに顔を出しています。2014年11月にはミュージシャンのBUMP OF CHIKENの新曲「ファイター」とコラボまでしています。すごいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=CiCWbfjf8Tw

それで、結局どうしたかというと、図書館で1巻と2巻を借りて試し読みしました。

1巻の一番最初に出て来る台詞がとても大きい明朝体で「何これ?もっと級数下げてスマートな明朝体できれいに入れて欲しい」と言うと、主人曰く「『エヴァンゲリオン』以来そういうのが流行しているんだよ」とのこと。(級数とは25年前の写植用語です。もと印刷会社勤務なので…。)文句はいいましたが、インパクトはあります。日曜日だというのに、子どもも主人も放って、もう夢中で読みました。2巻に収録のChapter.15には、ちゃんと初心者向きの将棋の解説も載っていますし、これで「娘のために」という言い訳が通用します(笑)
「3月のライオン」二階堂くん
大好きな二階堂くん。暑苦しくって素敵です!

「3月のライオン」は、羽海野チカ先生らしい心理描写でぐいぐい読ませます。主人公の桐山零は偶然知り合った川本家の人々と、家が近いとはいえ、よく道ばたで会います。また、あかりお姉ちゃんは、やせた動物を拾って来て丸々太らせるのが好きという人物です。どんなに近くに居ても会えない人には会えませんが、必要なもの、繋がっている人にはきちんと会えると私は思いますし、鳥や動物を拾った経験のある私は、あかりお姉ちゃんが桐山零を拾ったことは偶然ではなく必然だと思います。同じように肉親を失い、その悲しみを心に抱いていることが、この物語の中で桐山零と川本家の人々を繋げたような気が私にはします。
まだ2巻までしか読んでいませんが、川本家でどんどん食べて、どんどん太ってくれるよう、桐山零の幸せを祈ります。

さて、1〜10巻まで大人買いは無理なので、毎月1冊づつ購入しようかと思います。