2015年7月31日金曜日

なかいま強先生の「うっちゃれ五所瓦」

昨日、河合克敏先生の「とめはねっ!」について書いたので「帯をギュッとね」についても触れて、いわゆるスポ根マンガについてつらつらと考えてみました。
少女マンガでいえば「アタックNo.1」「エースをねらえ!」どちらもTVアニメで夢中になって、後でマンガを読みました。とにかくスポ根マンガの共通点は体とその動きを描くことができる画力の高さでしょうか。
しかし、リアルタイムにスポーツ物の少女マンガを読んだ記憶があるのは、酒井美羽先生の「セーラーブルーの青春」だけのような気がします。酒井美羽先生の「セーラーブルーの青春」は、中学1年生の杉沢都が主人公の水泳マンガで、本人は軽い気持ちで入った水泳部で選手としてどんどん成長していくという物語でした。
花とゆめもLaLaもスポーツ物はあまりありませんし、羅川真里茂先生の「しゃにむにGO」の時には既に花とゆめは卒業していました。

一方、少年マンガにはスポーツはつきもので(今はどうなのでしょうか?)1990年頃には、野球、バスケ、サッカー、ゴルフなど色々ありました。1990年前後は、ちょうど御茶ノ水の専門学校まで電車に乗って1時間40分という通学時間を利用して週刊少年サンデーと週刊少年ジャンプを定期購読していた時期でした。
その中で私が最も好きだったマンガが1988年から1990年まで週刊少年サンデーに連載していた なかいま強先生の熱血相撲マンガ「うっちゃれ五所瓦」でした。1898年に小学館漫画賞も受賞しています。
「うっちゃれ五所瓦」は、武蔵山高校の最後の相撲部員 五所瓦 角(ごしょがわら かく)が、団体戦に出場し優勝するという夢のために自分を含めて5人の部員を集め、大会に挑むという物語です。とにかく、登場人物が個性派揃いでした。相撲は強いけれどどもりながら話す五所瓦、柔道部主将の清川薫とレスリング部のホープ関内孝之の二人はその強さで五所瓦を支え、ひ弱で小賢しい応援部の難野一平は卑怯な技を使い笑わせてくれます。囲碁将棋部の雷電五郎は、相撲部員らしい見た目なのに超気弱で、この5人でどう勝ち進むのかハラハラしながらわくわく読みました。対戦相手も変な人がたくさん出てきました。でも、相撲そのものは正統派で、マンガによくあるありえない必殺技などはありませんでした。清川は柔道技、関内はレスリング技を披露する場面があり、難野の卑怯な小技はマンガならではのギャグ要素でした。

とにかく、あの手この手で勝ち進む武蔵山高校相撲部を描いたなかいま強先生の「うっちゃれ五所瓦」は最高です!

2015年7月30日木曜日

河合克敏先生の「とめはねっ!」

今、小学3年生の娘が私の横で夏休みの宿題をやっています。漢字のプリントです。娘は本当に漢字が苦手です。何でこんなに覚えていないのか、驚くほどです。辞書を引くよう促してもきちんと引けません。書くのも下手です。子どもの回答に答えのプリントを見て丸をつけるのは親の仕事。合っていてもこれだけ汚いと丸を付けていいか迷います。娘、頑張れ!

文字に関わるマンガと言えば河合克敏先生の「とめはねっ!」ですね。鎌倉の鈴里高校書道部を舞台にしたマンガです。主人公の大江縁は帰国子女で何もわからないまま書道部に入部します。クラスメイトの美人で柔道の強い望月結希も柔道部とかけ持ちながら書道部員となって、他校との交流や書道の大会などで青春ドラマを繰り広げます。書道に関するウンチクも顧問の影山先生の説明でバッチリです。

河合克敏先生は週刊少年サンデーで連載を前提にした新人作品の公募で賞を取り、そのまま連載を始められた方です。その作品は「帯をギュッとね!」という柔道マンガでした。当時、週刊少年サンデーを毎週購読していた私は夢中になって読みましたが、連載の途中で少年サンデーの購読をやめてしまい、残念ながら結末は読んでいません。

「とめはねっ!」のコミックスを購入したきっかけは、NHKのドラマ「とめはねっ!」の原作マンガが河合克敏先生の作品だと知ったからでした。結局、テレビドラマは観ませんでしたが、「とめはねっ!」のヤングサンデーコミックスは全巻揃えようと思っています。今、12巻まで持っていますが、普段、少年マンガ・青年マンガのコーナーは見て回らないので、「とめはねっ!」の新刊をチェックしきれていません。「とめはねっ!」は週刊ビックコミックスピリッツ連載でしたが、割と掲載が飛び飛びで新刊発売もゆっくりペースなので特に新刊を見逃しがちです。ネットで確認したら14巻が最終巻で発売されたのは5月でした。13巻も購入していないので、13巻と14巻を買いに行こうと思います。

一番気になるのは縁と結希の恋の行方です。結希は縁をどう思っているのでしょうね?14巻でうまく行っていますように。

ビッグコミックスピリッツ公式サイト「スピネット」で「とめはねっ!」の詳細確認できます。
http://spi-net.jp/weekly/comic025.html

2015年7月29日水曜日

幕間のショートムービー「夕やけだん団」

今日は「夕やけだん団」について。
マンガではなくアニメですが、ご容赦願います。一目で気に入ってしまったので、ここに書かせて頂きます。

昨日、娘の大好きな「ポケモン」の映画を観に行った来ました。
昨年の「破壊の繭とディアンシー」は、話にまとまりがなく、いまひとつでしたが、今夏の「光輪の超魔神 フーパ」は、伝説のポケモンの登場にも無理がなく、バトル好きのファンには伝説のポケモンのバトルが堪能でき、内容重視のファンにはシンプルながらきちんとまとまって心に染みる展開もある納得の内容でした。

「ポケモン」映画の劇場内では、途中にトイレに立った男の子が、戻る席がわからなくなり、伝説のポケモン同士のバトルシーンで「お母さんどこ〜?」と泣きながら大声で叫ぶというアクシデントがありました。場内に響く大声だったので母親が気付いて連れて行くと思いきや、全く反応なし。私は、しばらく映画そっちのけで男の子の行方を見守っていましたが、結局、男の子は近くにいた人に促され、通路階段に座って最後までポケモンを観たのでした。その話を一緒に行った姉と我が娘に話したところ「えっ?気付かなかったよ」とのこと。夢中で映画を観ていると気付かないものなのですね。きっと、その男の子のお母さんも夢中で映画を観ていたのでしょう。

まぁ、それはそれとして「ポケモン」映画の前にチラリと流れたショートムービーが気になって気になって、帰宅後に検索をかけました。「夕やけだん団」です。
「夕やけだん団」は、「下町を舞台にした、人情8割 毒舌2割のほのぼのショートムービー」だそうです。109シネマズで映画の幕間に上映されるショートムービーで毎月1本新作が公開されます。キャラクターデザインは村田蓮爾さんで、物語のキャラクターはかっこいい猫コトブキと女子高生七海です。主人公コトブキとその他の声を山寺宏一さん、ヒロイン七海の声を柴紅音さんが担当しています。

オフィシャルサイトはこちら
http://www.yuyake-dandan.jp

こちらのサイトから
「YU-YAKE DANCE」『夕やけだん団』 番外編
という、コトブキのダンスショートムービーや
その他プロモーション用のショートムービーも観られます。

猫なのにかっこいいって、グインサーガの豹頭グインやアップルシードのブリアレオスみたいですね。でも、コトブキはちょっとグインやブリアレオスとは違いますね。脚が短いからでしょうか。それとも、江戸弁だからでしょうか(笑)

2015年7月28日火曜日

LaLa9月号を読みました。その2

さて、昨日の続きです。
LaLa9月号に掲載されているマンガのいくつかについて個人的な感想など書かせていただきます。

16pから始まる巻頭カラーは葉鳥ビスコ先生の「ウラカタ!!」シーン11、42pです。
「ウラカタ!!」は物作りを愛する人々の話なので大好きです。こだわってこだわって何かを作る様子は格好良いですし、こだわる人の気持ちに共感できます。美しい見開きの扉絵をめくると少年の立ち姿に見とれる蘭丸のアップという印象的な1ページ目で引き込まれます。今回の物語は撮影合宿のお話です。初めての合宿中、蘭丸が先輩方に温かく見守られている様子も素敵ですが、物語のメインはこちらではなく、子役として映画に参加している出尾籐 凛(でびとう りん)のわがまま放題に郷田部長はどう出るか?です。合宿に使われた別荘と瑠佳の関係も気になります。まだまだ物語の導入部なので、これから凛が部長や蘭丸と関わることで物語がどう動いていくのか次号が楽しみになる内容でした。

67pから、あきづき空太先生の「赤髪の白雪姫」第68話、30pです。
部屋に二人きりになったゼンと白雪でしたが、すっかり酔ってしまったゼン。イザナ陛下に適当に迎えに行くよう任されたミツヒデはどうする?というのが8月号の展開でしたが、その対応をどうするかというミツヒデと木々とオビの会話が「赤髪の白雪姫」らしい会話でした。今回は、その翌日に再会を約束して別れるまでのお話でした。
TVアニメの声優である早見さんがインタビューで「ボリューミー」と表現されている通り、テンポ良くそれぞれのキャラがどんどん話すので、これまでの展開をきっちり頭に入れて読むのが会話を楽しむコツでしょうか。
TVアニメが始まったこともあり、書店ではコーナーが出来ており1巻から14巻までがずらりと並んでいました。
書店に置いてあった「赤髪の白雪姫」のフリーペーパー
それから「お試しコミック」が印刷されたフリーペーパーが置いてありました。「お試しコミック」は「赤髪の白雪姫」がLaLaDXから本誌のLaLaへ連載が引っ越した時の第27話です。こんなお話だったかなぁ〜と、年齢のせいで小さい字が読めないのですが、必死に読みました(笑)LaLaDXで普通の読み切りだった「赤髪の白雪姫」は覚えているのですが、いつの間にやら連載となり、それから本誌に移動して、絵も随分変わりました。普通、お試しコミックといえば連載第1回目を載せるものですが、これだけ絵が変わると1回目を載せるわけにはいきませんね。

99pから緑川ゆき先生の「夏目友人帳」の流れゆくはの章、45pです。
「もうしわけありません」と謝るお面がいじらしく感じました。とてもじんとくるお話でした。珍しく斑がニャンコ先生以外の姿になるのも必見です。

147pから晴海ひつじ先生の「ツインロール」41pです。
6月号に掲載された読み切り作品の連載化第1回目です。読み切りではヒロインの泉視点から途中ヒーローの馨視点に切り替わるのですが、連載第1回目は馨視点でした。LaLaDXでは、晴海ひつじ先生は「こもりとてんま」という普通の女の子とお金持ちの男の子のラブストーリーで人気がありましたが、「ツインロール」も人気が出るとよいですね。

189pから可歌まと先生の「狼陛下の花嫁」特別編16pです。
後宮入りする少し前の恋人同士の時のお話です。8月10日発売のLaLaDXに同時期の陛下視点の話が掲載されるそうです。楽しみですね。個人的には早く第ニ部の物語が本格的に動かないかなと期待しています。

213pから天乃忍先生の「ラストゲーム」GAME.46、29pです。
こういうムズムズするような恋愛系の話は別マとかにたくさんあるのかもしれないと思うのですが、スレ違い方が笑えるのか、絵が好みなのか、もともと天乃忍先生がLaLaDXで描いていた時から応援していましたし、とにかく良い!と思います。がんばれ柳!がんばれみこっちゃん!
がんばろうとするとスカッと外すので次号はきっと外すんじゃないかなと思いながら、「終わりに向けて」と天乃忍先生本人がご自身のサイトで書かれているようにここでまとまってしまうのか、次号に期待ですね。

281pから藤原ヒロ先生の「ユキは地獄に堕ちるのか」第十七道 畜生ちゃんと餓鬼くん、30pです。
真夏斗視点のお話です。ちょっと怖かったですが、これが少年マンガや青年誌だったら、もっとリアルにグロテスクに描くのかもしれないと思うと、これくらいで引いてはいけませんね。でも前号で、真夏斗は本当にダメ男なのでは?と思い始めていました。申し訳ありませんでした。

411pから筒井美雪先生の「少女漫画のはじめかた」2冊目、32pです。
短期集中連載で次号最終回です。今回は、鶴子と水嶋がマンガを描くお手伝いをする話です。30年前、マン研だった私は、マンガの中の設定とはいえ初めてなのに絵が上手い水嶋が正直とっても羨ましく思いました。

477pから久賀流先生の「黄昏ギモーヴ」46pです。
花とゆめコミックスで8月5日発売の「初恋ドルチェ」と魔女ドンマルマとドルチェで繋がるオムニバスの物語です。LaLaDX5月号でも「最愛クリスタリゼ」というお話を描いています。「最愛クリスタリゼ」にも「黄昏ギモーブ」のヒロイン、ラハナがチラリと出て来ます。個人的には「最愛クリスタリゼ」の方が動きもあって展開も好きです。リュカが正装するシーンなどはもっと華やかでもよいのになと、LaLaDXよりサイズが大きいせいか、見せ場は凝りに凝って欲しいなと、せっかく本誌に載るのだからここは頑張ってもらって本誌連載狙って下さい、と生意気にも勝手に色々考えてしまいました。私は魔女が出てくるお話が好きなのです。久賀流先生、応援しています。

と、こんな感じでLaLa9月号について色々感想を書かせて頂きました。
買っては一気に読む、買っては一気に読むの繰り返し、たまには少しづつ読んでもいいのかもしれませんが、読み出したら止められません。性分ですね。
次は8月10日発売のLaLaDX9月号、楽しみです。

2015年7月27日月曜日

Facebookで「村上さんのところ」期間限定復活!


村上春樹先生がメールによる質問に答えるという期間限定サイト「村上さんのところ」が7月24日(金)に書籍版と電子版で発売されました。
ところが、書籍版と電子版の「村上さんのところ」発売を記念して、「村上さんのところ」がFacebookページとして限定復活するというのを、今日初めて知りました。
村上主義者を名乗るものとしては情報の疎さに、ちょっと恥ずかしい気持ちがしました。

村上春樹先生が「村上さんのところ」公開終了時点で未読だった4915通のメールのうち385通の回答を「追加分」として書いたそうです。そのうちの一部を今日から8月2日(日)まで毎日少しずつFacebookにアップしていくそうです。

Facebook「村上さんのところ」
https://www.facebook.com/murakamisannotokoro
私のようにFacebookアカウントを持っていなくても見られるそうです。

それから、「村上さんのところ」書籍版・電子版の詳細はこちら。
http://www.shinchosha.co.jp/murakamisannotokoro/books/

書籍版は厳選した473 通の回答にイラストレーター・フジモトマサルさんによる、この書籍版でしか読めない描き下ろしマンガも51点掲載しているとのこと。
一方、電子版『村上さんのところ』は、3716通すべてを収録してあり、サイトにあった村上春樹先生の「近況報告」や「当主あいさつ」なども収録されているそうです。

現在、書籍版か電子版かどちらを買おうか悩み中です。
結局、どちらも買ってしまうのでしょうか…。


LaLa9月号を読みました。その1

7月24日(金)の夕方、子どものスイミングスクールの付き添いのついでに駅前の書店でLaLa9月号を購入し、夜中、仕事で疲れて帰って来たパパ(夫)が一人夕飯を食べているその横でせっせと読みました。こんなダメ主婦を許してくれてありがとうパパ。

今回のラインナップは以下の通りです。

表紙:緑川ゆき先生の「夏目友人帳」
表2からTVアニメ「赤髪の白雪姫」白雪役:早見沙織さん、ゼン役:逢坂良太さんLaLa独占インタビュー
16pから葉山ビスコ先生の「ウラカタ‼︎」シーン11、巻頭カラー45p
67pから、あきづき空太先生の「赤髪の白雪姫」第68話、30p
99pから緑川ゆき先生の「夏目友人帳」の流れゆくはの章、45pです。
147pから晴海ひつじ先生の「ツインロール」41p
189pから可歌まと先生の「狼陛下の花嫁」特別編16p
213pから天乃忍先生の「ラストゲーム」GAME.46、29p
245pから樋野まつり先生の「手裏剣とプリーツ」最終回31p
281pから藤原ヒロ先生の「ユキは地獄に堕ちるのか」第十七道、30p
311pから林みかせ先生の「うそカノ」Lie.30、31p
347pから池ジュン子先生の「水玉ハニーボーイ」#13、29p
376pから柏屋キクゾー先生の「嫁姑教室」3p
379pから弓きいろ先生/原作:有川浩先生の「図書館戦争 別冊編」31p
411pから筒井美雪先生の「少女漫画のはじめかた」2冊目、32p
443pから田中メカ先生の「君のコトなど絶対に」第十一幕、30p
477pから久賀流先生の「黄昏ギモーヴ」46p
524pから真柴なお先生の「3DSソフト大逆転裁判ー成歩道龍ノ介の冒険ープレイレポート」2p
532pから読者ページ「しーたけの進め乙女道」5p

9月号の中から、個人的に気になったものについて書かせていただきます。

LaLa9月号表紙
LaLa9月号表紙 緑川ゆき先生の「夏目友人帳」

今回は緑川ゆき先生の「夏目友人帳」が表紙です。
夏目とニャンコ先生が縁側でとうもろこしを食べています。夏目の着物が抑えた色調でどこかに差し色が欲しい気もします。表紙的には大人しいと思いますがロゴやタイトルなど特色を使用した文字が賑やかなのでこれでいいのかなとも思いますが。「夏目友人帳」らしいといえばらしいでしょうか。
※特色とは、印刷で使う青・赤・黄・黒の4色インク以外の色のことです。マンガの表紙では蛍光色が多く使われます。

マンガではなく記事ですが、5p〜15pまでについて。

5pから「祝創刊39周年LaLaオールスター直筆サイン色紙プレゼント」があります。
こういう懸賞系に応募したことは一度もありませんが、ずらりと並んだイラストを見るのは楽しいものでついつい一つ一つ見てしまいます。個人的には辻田りり子先生の色紙が欲しいですね。かのこと椿くんだけでなく、会長も入っているのが素敵です。

9pからは「図書館戦争」10月10日続編映画公開のお知らせ。
岡田准一さん、松坂桃李さん、福士蒼汰さんと主役クラスのカッコイイ男性陣に、榮倉奈々さん、栗山千明さん、土屋太鳳さんと美女揃い。ずらりと並んだ豪華キャストを見ただけで観たくなりますが、2013年に公開された実写映画をDVDで観てからが良いのでしょうか。テレビ化は映画と同じキャストのスペシャルドラマとのこと、贅沢ですね。

それから巻頭マンガまでのカラー広告があります。
私はこのカラー広告は普段は素通りなのですが、AneLaLa8月号、花とゆめコミック、懸賞ページ、LaLaDX、に並んで12pに「花LaLaonline超BIG NEWS!!」というページがあって、9月4日から高屋奈月先生の「フルーツバスケット」の新連載が始まるというお知らせと種村有菜先生の「31☆アイドリーム」の書き下ろし番外編のお知らせがありました。どちらも気になります。ネット上でマンガを読むのには抵抗があるのですが、花 LaLaonlineを見ないわけにはいきませんね。http://www.hanayumeonline.com

ということで、少し長くなってしまったので、掲載されているマンガについての感想などはまた次回に書かせていただきます。

2015年7月23日木曜日

日渡早紀先生と「ぼくの地球を守って」

今回は日渡早紀先生の「ぼくの地球を守って」についてです。
「ぼくたま」こと「ぼくの地球を守って」が連載を開始した頃、私は高校のマン研に所属していて、マン研のみんなで花とゆめを読んでいました。多くの人が読んだことのあるマンガだと思うので、詳細な説明の必要はないと思いますが、少しだけ説明させていただきます。

「ぼくたま」は1991年の東京を舞台にした物語でした。連載当初は1986年で「近未来サスペンス」と銘打っていましたが、この文章を書いているのが2015年ですから、既に24年の月日が流れてしまいました。「ぼくたま」は地球とは別の星の人間として生まれた前世の記憶を持つ7人の少年少女が、その記憶を思い出し、それゆえに現世で織り成すドラマを描いた物語でした。

「ぼくたま」は回を追うごとにみんなを夢中にさせ、迅八と一成の関係や、輪の行動の謎、紫苑の現世の姿などに期待が高まりました。春ちゃんの登場の回には、「やっと紫苑が出てきた!」とマン研では大騒ぎになりました。また、輪がバイク走行中の暴走族の松平タカシを超能力を使って脅すシーンが大友克洋先生の「AKIRA」のワンシーンを彷彿とさせ、同じ頃やはり、マン研で「AKIRA」が大人気であったことから、そのシーンに注目が集まりました。

連載が長期化し「ぼくたま」の世界が広がり多くのキャラクターが登場すると、田村さんが、紫苑が、キャーが、ラズロがというようにマン研内では各自にお気に入りのキャラクターが出来、玉蘭あるいは迅八が、多分もっとも嫌われたキャラクターだったと思います(笑)
また、前世の出来事を個々のキャラクターが持つ記憶としての回想シーンにとどめず、木蓮の物語や紫苑の物語が詳細に描かれることで読者がさらに木蓮や紫苑に感情移入し「ぼくたま」の世界観を感じ取れたのだと思います。
兎にも角にも、私の周辺にいた「ぼくたま」を愛する読者一人一人が各キャラクターへの思い入れを強く持ち、その物語の行く末を見守っていたのでした

1986年、昭和61年に始まったこの物語が完結した時には1994年、昭和天皇が崩御され昭和が終わり平成6年になっていました。手塚治虫先生や美空ひばりさんが逝去され、好景気に沸いた日本のバブルはどこかに消えていました。私は25歳になっていて、親しい友が一人永眠しました。私が少女マンガに夢中になった季節もここで一つ終わりを迎えたのでした。

3回に分けて日渡早紀先生の作品とそれにまつわる思い出を少し書かせていただきました。
ありがとうございました。読んで下さったあなたに感謝を込めて。
2015年7月23日(木)

2015年7月22日水曜日

日渡早紀先生の「記憶鮮明」

前回に引き続き日渡早紀先生です。今回は私が日渡早紀先生の作品の中で最も好きな「記憶鮮明」についてです。
「僕の地球を守って」は「記憶鮮明−東京編」とうたわれているように、その前身となる「記憶鮮明」というマンガがありました。舞台は20xx年のニューヨーク、ヒロインはエリザベス(リズ)、連続爆破事件の被害者であり唯一の目撃者として、亡くなったパセリ・モガンの代わりに犯人を思い出すためにつくられた3人のクローンの1人でした。
物語は爆破される直前の映画館から始まり、爆破、少女の死、そして死んだはずの少女が取り調べを受けている場面に変わります。映画のようなアングルでドラマティックな展開のSFマンガです。ヒロインである3人のクローン少女は映画好きで、自分たちの名前をイングリット、オードリー、エリザベスと自ら名乗ります。古い映画の有名な美人女優バーグマン、ヘプバーン、テイラーの名前です。私もちょうどその頃の映画が好きで色々な作品をビデオで観たので、余計に好感を持ちました。個人的にはヘプバーンと並んでモンローが最も好きな映画女優なのですが、モンローはこのマンガの中では悲しいかな悪役扱いされています。映画館で始まり、映画好きのヒロイン、悪役のモンローと映画三昧のこの物語は、ラストも映画のエンディングのようで、ヒロインリズの記憶に関するセリフが印象的に表現されています。
続編となる「そして彼女は両眼を塞ぐ」が翌年の別冊花とゆめで「記臆鮮明」の総集編に併せて書き下ろされていて、内容はリズがボストンの恋人のもとに行くところから始まる殺人事件です。花とゆめコミックスにも同時収録されています。
間にアクマくんシリーズの「アクマくんブラック・ミニオン」の連載があり、その影響か「記臆鮮明」と「そして彼女は両眼を塞ぐ」では、絵柄に違いが見られます。この頃、それまで読み切り形式だった作品が長い連載になってきて、日渡早紀先生のキャラクターの描き方、コマの使い方などが変化してきました。
もともと、デビュー時からどんどん線が洗練されていくのですが、日渡早紀先生は絵が固定化しないというか、常に新しい描き方を探求されている様子で「ぼくたま」の絵も美しいと思っていましたが、それ以降も、絵柄を固定化することなく、その次、そのまた次と絵柄が変わっていったように思います。日渡早紀先生のどの時期の絵が好きかは、それぞれの好みなのだと思いますが、スクリーントーン全盛の今のマンガと比べると、カケアミを多用したバック処理や人物の影に用いる手描きの斜線など、ベタの配分も多い「記憶鮮明」のあの頃の絵も懐かしく好もしく思えます。
2015年7月22日(水)
date:
「記憶鮮明」初出/1984年5月4日発売花とゆめ11号、5月19日発売花とゆめ12号、6月5日発売花とゆめ13号
「そして彼女は両眼を塞ぐ」初出/1985年3月9日発売別冊花とゆめ春の号
コミックホームズさん参照  http://comich.net

2015年7月21日火曜日

日渡早紀先生の「アクマくんにお願い」

今回は、日渡早紀先生の「アクマくんにお願い」についてです。
日渡早紀先生と言えば代表作は通称「ぼくたま」の「ぼくの地球を守って」です。1986年12月20日発売の花とゆめ2号から1994年5月20日発売の花とゆめ12号まで連載された大人気マンガです。その連載第1回目は記憶鮮明・東京編の近未来サスペンスとして花とゆめ読者の大きな期待を背負って始まりました。巻頭カラーで、花とゆめコミックス1巻のカバーにも使用されたヒロインありすが地球を抱いた扉絵が印象的でした。しかし、雑誌掲載時に「ぼくたま」を読んだファンの方はご存知の通り、連載1回目は気弱なありすが小学生輪にいじめられてしくしく泣くだけの「これのどこが近未来サスペンス?」という内容でした。たしか、そんな読者の気持ちを感じとったかのように読者のために柱にフォローの一文が載っていた記憶があります。「これから近未来サスペンスになりますからね!」というような(笑)
そんな大きな期待とは裏腹に、私は「ぼくたま」が8年に渡る長期連載になろうとは思ってもいませんでした。なぜなら、日渡早紀先生には、他に「アクマくんシリーズ」があったからです。「アクマくんシリーズ」は1982年5月4日発売の花とゆめ11号に発表された「アクマくんにお願い」で主人公史郎が開けた缶詰めから悪魔の王子「アムカ」が出てきて史郎の願いを叶えようとしてくれる読み切り作品からシリーズ化されました。1982年1月20日発売の花とゆめ4号に発表された日渡早紀先生の受賞作でありデビュー作の「魔法使いは知っている」のシリーズ化「早紀ちゃんシリーズ」と並んで人気のあった作品で、交互に花とゆめ誌上に発表されていました。1985年1月7日発売の花とゆめ3号の「無限軌道」で「早紀ちゃんシリーズ」が完結し、「アクマくん魔法☆BITTER」が1985年7月20日発売の16号から1986年7月5日発売の15号までの約1年に渡る連載を終え、1986年9月5日発売の花とゆめ19号と9月20日発売の花とゆめ20号で「アクマくん魔法☆SWEET」が前後編で発表された後、いよいよアクマくんシリーズが完結に向かうと予想され、「ぼくたま」はその間に挿入された作品だと考えたからでした。
結局のところ、「ぼくの地球を守って」が大人気作品となり長期連載された結果、日渡早紀先生の絵柄も大きく変化し、また「アクマくんシリーズ」を覚えている読者も減り、残念ながら「アクマくんシリーズ」は未完の作品となったのでした。
個人的には、アムカ王子に想いを寄せる悪魔として育てられた天使チャチャが、アムカと両想いになれるといいなという希望と、15番目の王子であるアムカが魔界の王になる?という物語を、日渡早紀先生がどのように描いてくれるのか、その期待に応えてくれる作品はもう望めないということが残念でなりません。
手元にマンガがないのでセリフはうろ覚えなのですが、「アクマくんにお願い」では、アムカに願い事をした史郎が思い通りに行かないことでアムカを責めると「それは願い事じゃなくって欲だろう。自分でやってくれなきゃ困るよ」というようなことを言うシーンがあって、それがとても印象に残っています。また、早紀ちゃんシリーズの「魔法使いは知っている」でも、異次元からひょいと教室に顔を出したヒロイン早紀が、ルービックキューブを見事にクリアできる星野くんに助けを求めて一緒に異次元へ連れて行くシーンが印象的でした。繰り返し読んだわけではないのに33年前の記憶が残っているほどインパクトの強い作品であり、そういう作品を次々生み出す力のある日渡早紀早紀先生は私にとって偉大なマンガ家であると言えます。また、多くの人にとってもそのようなマンガ家であると思います。
2015年7月21日(火)

2015年7月18日土曜日

小沢真理先生の「銀のスプーン」

今日も今日とて、少女マンガの話題です。読んで頂ければ幸いです。
毎日午後1時25分から50分まで、フジテレビで「明日もきっとおいしいごはんー銀のスプーンー」放映していますね。小沢真理先生の「銀のスプーン」の実写版ドラマです。お昼の時間帯におや?と思いましたが、ちょうど子どもも幼稚園に行っている時間帯で、放送終了直後に家を出ればお迎えに間に合います。それで、ちょっと観てみると、何だか毎日きっちり観るようになってしまいました。

マンガの方の「銀のスプーン」は読んでいません。読んでいないのに文章書くのか?という感じですが、そこはご容赦ください。

ところで、小沢真理先生の作品といえば「世界で一番優しい音楽」です。1992年から1999年に雑誌連載され、講談社コミックスキスから全16巻出ています。しっかり揃えて読みました。登場人物がみんなやさしくて、特に主人公である母親のスウと娘ののんのんのほんわか優しいムードに、周りもやっぱり優しくなっていく様子が素敵です。読んでいるこちらも優しい気持ちになります。最後はスウも結婚してハッピーエンドの物語でした。

一方、「銀のスプーン」は2010年から現在も講談社の少女マンガ雑誌「Kiss」に連載中です。それで、どうしても気になって6月25日(木)発売の「Kiss」8月号をスーパーで(田舎なので近くに書店がありません…)ちらっと手に取って読んでみたのですが、ちょうど主人公律(りつ)の実母真也(まや)が、恋人に去られてしまう回で、その事情からも「世界で一番優しい音楽」に比べるとどろどろしているようなイメージでした。もともとは、主人公が母の病気をきっかけに料理に目覚めていくという内容で、料理について詳しく描かれている料理マンガです。主人公の恋愛や、家族との愛情も描かれてほんわか優しいムードなのかと思いきや、真也の今回の展開に「早く幸せになって欲しい」と願ってしまいました。小沢真理先生のマンガなのですから、きっと幸せになると思うのですが。

テレビのキャストは、主演の律は仮面ライダー鎧武やファブリーズのCMで人気の高杉真宙さん、養母役は富田靖子さんです。個人的には弟調(しらべ)役の前田旺志郎くんが好きです。
テレビでは色々な親子の形が描かれていて、その展開が気になって毎回欠かさず観ています。律と養母:恭子、律の弟・妹と恭子、律と実母:真也、恭子と恭子を捨てた母絹江、真也と真也の母、真也と6歳の息子ルカ、律の従姉妹:環とその母。なんて親子三昧なのでしょうか。今週はとうとう実のお父さんまで出て来てしまいました。この設定はマンガのほうにはない設定だそうですが。
小学3年生の娘と幼稚園年長の息子を持つ母としてははらはらしながら観ています。やっぱり、この時間にテレビを観ているであろう私のような育児中の主婦に共感してもらうのが狙いなのでしょうか。私は時々テレビを観ながら泣いてしまいます。子どもを産んで以来、子どもが出て来て泣かせる台詞を言われるとすぐ泣けはルカくんと同学年てしまうのです。それに、ドラマで流れる高橋優さんが歌う主題歌の「おかえり」が余計に心しみて涙を誘います。
そのうちにマンガの方もまとめて読んでみようかなと思っています。

2015年7月18日(土)

2015年7月16日木曜日

橋本みつる先生と「男の子は走る」

前回、加藤四季先生について書いたので、懐かしくなり今回は同じ「花とゆめ」の橋本みつる先生の話です。読んで頂ければ幸いです。
橋本みつる先生については、現在の作品は全く読んでいないのですが、ネットで検索するとファンの方が作られたサイトがありました。そのサイトから作品一覧を見て「花とゆめ」でデビューして他誌に移った後の橋本みつる先生の活動がわかりました。ソニー・マガジンズ発刊の「きみとぼく」を経て、今は「ウィングス」で作品を発表しているようです。小説の挿絵も描かれているようです。今、発表しているマンガ作品は百合系のようなので、指向に合わない方はご注意ください。とは言っても、私が読んでいたのは白泉社から発行の少女マンガ雑誌「花とゆめ」掲載のものだけで、そうなると白泉社のジェッツコミックスから出版された「橋本みつる作品集 GETDOWN」に収録されている「ごめんね好きだよ」、ソニーマガジンズから出版された「夢を見る人」収録の「おとなしかったのに」「人体星月夜」「DANCE AWAY」がこの文章と関わっていると考えて頂けると良いと思います。それ以降の作品については、未確認ですので申し訳ありませんがご了承ください。

橋本みつる先生の作品はHMC(花とゆめまんが家コース)受賞作の雑誌掲載時から読んでいました。花とゆめプラネット増刊号に掲載されたものは読んでいないので1988年から1990年の3年間の10作品と1994年の花とゆめ掲載の「おとなしかったのに」を読んだことになります。橋本みつる先生の作品はどれも印象に残るタイトルで、内容よりもタイトルを妙にくっきりと覚えています。「男の子は走る」「でかい月だな」「お気に召さないか?」「ごめんね好きだよ」「おとなしかったのに」

「男の子は走る」は足の速い成長期の男の子が出て来る話で、成長痛で骨がきしむという描写が印象的でした。「でかい月だな」は冒頭に「でかい月だな」という言葉で始まったような記憶があります。「ランゲルハンス島」という言葉を始めて目にしたのは橋本みつる先生の作品からでした。「人体星月夜」という作品に出ていたそうですが、「ランゲルハンス島」という言葉だけがくっきりと記憶に残りました。
絵は、キラキラはしていないのですが印象的に大きな目とすらりとした手足で橋本みつるさんらしさが漂っていて、物語はそのイメージや台詞が印象的な作品です。

橋本みつる先生の描くキャラはこんな感じです。

誰にでもお薦めというのではないのですが、熱心なファンの方がいることでも分かるように読み手の感性に合えば、手元に置きたい少女マンガだと思います。
事実、私は橋本みつる先生の「男の子は走る」を雑誌から切り取って保管していました。できれば受賞作から「花とゆめ」に掲載したものが1冊の本になると良いのに…と思っています。

2015年7月16日(木)

2015年7月14日火曜日

加藤四季先生の「高校天使」

さて、今日も相変わらずの少女マンガの話です。読んで頂ければ幸いです。
押し入れの奥にある本棚を…押し入れの奥に入れるタイプの本棚をわざわざ選んで設置したのですが、目当ての本を探してごそごそしていると、加藤四季先生の「高校天使」がありました。どうしてこれを残してあるのでしょうか。「月の子」「ぼくの地球を守って」「紅茶王子」「砂の城」など数々の名作マンガを苦渋の決断の末に手放したというのに、加藤四季先生の「高校天使」全3巻はあるのです。

小学3年生の娘がちょうど退屈していたので「これ読んでごらん」と加藤四季先生の「高校天使」の1巻を渡しました。先日、私が図書館から借りてきた「高橋留美子劇場1」に娘が興味を持ち、その中の「Pの悲劇」と「Lサイズの幸福」を読んだところでした。子ども用の図書「かいけつゾロリ」のシリーズも熱心に読んでいますし、娘は本当にギャグ好きです。「高校天使」も気に入ったらしく、ずっと大人しく読んでいました。しかし、何だか、娘は1冊読むのにとても時間がかかります。しかも、娘は自分が読書の途中であっても構わず気に入ったシーンの説明をしてくれます。本を読む時は本だけに集中すればいいのにと私は思いますが、子どもの読書は寄り道読書なのですね。

「高校天使」小松瓏先生
「高校天使」のこまっちゃんこと小松先生

さて、加藤四季先生の「高校天使」は、白泉社の少女マンガ雑誌「花とゆめ」に平成7年21号(1995年)に初めて掲載され、平成8年から平成13年((1996年〜2001年)まで連載されていた4コマのギャグマンガです。私は、「花とゆめ」を定期購読していたので、ずっと雑誌で読んでいて、コミックスが発売されると買っていたのでした。この「高校天使」の主人公は、小学生に見える高校教師「こまっちゃん」こと小松先生です。この、こまっちゃんは、見かけは中学生のように小さく可愛いく、やることなすこと子どものようで、雨や雪におおはしゃぎし、就学旅行を生徒以上に満喫し、職員室では他の先生に怒られ、教室では生徒から励まされています。そんなこまっちゃんにはコアなファンが数名ついていて、こまっちゃんの周りはいつも賑やかです。そればかりか、ヤンキーと見紛う金髪事務員「しょうこさん」に一途に想われています。最後がハッピーエンドで、私はそれが気に入って3巻まできっちり手元に置いてるのでした。

この文章を書く為に、私もこっそり読み返しましたが、やっぱり面白い「こまっちゃん」でした。

補足:他に「お嬢様と私ーたなぼた中国恋愛絵巻」「兄ワールド」というコミックスが出ているそうです。(Wikipedia他Amazon等参照)

2015年7月14日(火)

2015年7月13日月曜日

吉田秋生先生の「海街diary」

今日は「海街diary」の話です。かじった程度でお恥ずかしいのですが読んで頂ければ幸いです。
私は、毎週金曜日に娘の水泳教室に付き添っていき、娘が泳いでいる1時間の間は書店に行き本を眺めています。マンガはビニールをかけられ中を見ることはできないので、もっぱら小説、ビジネス書、実用書を手に取ります。中には「7つの習慣」やピケティの「21世紀の資本論」のマンガ版などわかりやすく楽しく読めるものもあります。最近は、お薦めマンガの第1話分位を小冊子にして試し読みできるようにしてあるものがあり、先日は吉田秋生先生の「海街diary」の試し読み小冊子を見つけました。

高校生の頃、吉田秋生先生の「BANANA FISH」がマン研の仲間内で大流行して回し読みしました。1985年から1994年まで別冊少女コミックで連載されていて、私たちが学校でキャーキャー言っていた頃は、まだ連載が始まったばかりでした。アメリカが舞台で謎の「BANANA FISH」をめぐる動きに少年アッシュと日本人の奥村英二が巻き込まれて行くハードボイルドな物語でした。
私は、そういうハードボイルドな物語よりも静けさ漂うミステリアスな「吉祥天女」や少女たちの心の動きを丁寧に描いた「桜の園」に心惹かれましたが、自分で所持していたコミックスはPFビッグコミックスから出版されていた「夢見る頃を過ぎても」「十三夜荘奇譚」「夢の園」という3冊の短編集でした。こちらは色々入っていて、特に心に残っているのは「風の歌うたい」という虫を擬人化して描かれた蜘蛛と蛾のお話です。吉田秋生先生は長編マンガの評価が大変高い先生ですが、短編も心にしみる粒揃いです。
「BANANA FISH」が連載を終了した1995年(平成7年)以降は吉田秋生先生の作品とはご無沙汰なわけですが、以降の作品というと「YASHA-夜叉-」「ラヴァーズキス」「イヴの眠り」など、読んだことはなくても、タイトルは知っています。どれも人気作品ですね。

「海街diary」の小冊子の内容は、子どもの頃家を出て行ったお父さんが死に、葬式に参列した三姉妹が、残された腹違いの妹を引き取るところまででした。父が死んだということを三姉妹が食卓を囲んで会話するシーンがすごくて、マンガというより映像で観たいと思わせる描き方をしています。そして長女の幸が遅れて葬儀に現れ、子どもに大人の仕事をさせようとする父の妻の兄に「それはいけません」と言い切る。幸のはっきりとした言葉と意見にぐっときました。山形の田舎町で葬儀の後父が好きだったという場所に姉妹4人が立つシーンはその会話も素晴らしいですが、アングルが見事で本当に映像のようだと感心しました。

映画では、長女を綾瀬はるかさん、次女を長澤まさみさん、三女を夏帆さん、腹違いの妹を広瀬すずさんが演じています。
映画のサイトはこちら↓
http://umimachi.gaga.ne.jp/
映画予告編はこちら↓
https://www.youtube.com/watch?v=klRrF-EMvk4
キャストも豪華ですし、監督も是枝裕和さんですし大ヒット間違いなしかなと思いきや、観客動員数で公開日が同じだった「ラブライブ!」に負けたという報道がありました。ただ「ラブライブ!」は雑誌によるユーザー参加型のアイドル企画としてスタートしたゲームありアニメありのメディアミックスですから、固定ファンの数を考えても仕方のないことかもしれません。それよりも「海街diary」の映画は、良質な映画としてじわじわと支持が広がるよう祈っています。

2015年7月13日(月)

2015年7月10日金曜日

清原なつの先生の「アンドロイドは電気毛布の夢を見るか」

江口寿史先生の話を書いて、高校時代のマン研に触れたので、もう少し当時について書きます。
1985年4月~1988年3月まで高校生だった私は、マン研で仲間たちと楽しい時間を過ごしました。その頃、私たちの中で流行したものは、菊池秀行先生の小説に天野喜孝先生の挿絵の入った「バンパイアハンターD」、高千穂遥先生の小説に安彦良和先生の挿絵が入った「クラッシャージョー」「ダーティーペア」(どちらもアニメ化されました)、それからSF実写映画(SFXですね)ジョージ・ルーカス製作総指揮の「スターウォーズ」、リドリー・スコット監督のSF映画「ブレードランナー」でした。マン研の誰かの家に上がり込み、レンタルビデオの上映会をやったものでした。
この1882年に日本で公開された映画「ブレードランナー」は原作小説がフィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」で、映画では「スターウォーズ」にもハン・ソロ役で出演したハリソン・フォードがリック・デッカード役で主演したSF作品です。原作小説では動物を飼うことが一般的であり、未来の世界において本物の動物を飼うことがステータスとされていて、庶民は電気仕掛けの精巧な動物を飼っています。指名手配のアンドロイドを狩る賞金稼ぎの主人公リックは電気羊を飼っていて、電気羊の故障からリックと妻は口論となり本物の動物を手に入れる為に賞金を欲してアンドロイドを追うという話です。ですが、映画ではアンドロイドを追うリックは独身で、動物も出て来ません。つまり、アンドロイドを狩る賞金稼ぎと逃げるアンドロイドの物語なのです。そのアンドロイドが人間そっくりで、人間かアンドロイドかの見分けが難しいという所が、小説でも映画でも、そしてパロディマンガ、川原泉先生の「アンドロイドはミスティ・ブルーの夢を見るか?」と清原なつの先生の「アンドロイドは電気毛布の夢を見るか」でも共通しているところです。

なつめ
「アンドロイドは電気毛布の夢を見るか」のヒロイン&量産型アンドロイド

さて、清原なつの先生の「アンドロイドは電気毛布の夢を見るか」は、今はなき少女マンガ雑誌ぶ〜けに1987年3月号に掲載された読み切り作品です。同年11月にぶ〜けコミックスとして「アンドロイドは電気毛布の夢を見るか」が発行されています。パロディと言ったものの、原作のタイトルをもじってタイトルに使用したこと、人間との見分けが難しいアンドロイドという設定、そして映画で注目された1シーン、「強力わかもと」の看板がある風景とうどん屋のシーンを描いた以外は全くの別物です。
映画「ブレードランナー」では、アンドロイドにも感情があるように描かれていますが、清原なつの先生の「アンドロイドは電気毛布の夢を見るか」でのアンドロイドの扱いは手塚治虫先生の「鉄腕アトム」や清水玲子先生のジャックとエレナのシリーズで描かれた、感情を持ったロボットとは異なります。アンドロイドはあくまで人の形をした機械で、それを扱う人間の問題を描いています。49ページの短編作品ですが、アンドロイドと人間の関係性において、考えさせられるものがあります。

他に、清原なつの先生と言えば、少女マンガ雑誌りぼんオリジナルに1981年に掲載されたSF作品「真珠とり」が今でも名前が挙がる作品だと思います。1990年〜1994年にぶ〜けで読み切りの形で連載された性をテーマに描かれた「花図鑑」は、ぶ〜けコミックスワイド版で全5巻ですから、これが一番長く描かれた作品だと思います。それから2004年に発行された千利休の生涯を描いた「千利休」、この3作あたりが代表作といえるでしょうか。「千利休」は評価の高い作品なのですが、残念ながら読んでいません。

最近は作品を発表されているか分かりませんが、古い作品でも十分面白いと思います。清原なつの流のユーモアと含蓄のある内容が、どの作品にもしっかりと表現されているマンガ家さんだと思います。

2015年7月9日木曜日

江口寿史先生の「江口寿史のなんとかなるでショ!」

昨夜、主人がおもむろにTシャツを頭にかけて「矢印」と言いました。主人は時々そういうヘンテコなギャグを飛ばします…。その姿を見て「あ、それ知ってる。それ、ちょっと待って」と私は30年前の古い記憶をうんうんうなって思い出しました。
江口寿史先生が連載していたマンガ「江口寿史のなんとかなるでショ!」に載っていたというところまでは思い出しましたが、肝心のキャラクターの名前が出て来ません。でも、パソコンで画像検索すると、ちゃ〜んと出てきました。それは「ジャミラおぢさんの悪夢」でした。確か、女の子の夢に夜な夜なジャミラおぢさんが出て来て、女の子がうなされるというギャグマンガだったと思います。

ジャミラおぢさん
これが「江口寿史のなんとかなるでショ!」のジャミラおぢさん

江口寿史先生といえば、その絵のクオリティは高く、そのギャグは面白く、しかし原稿を落とすことで有名なマンガ家さんですね。少年ジャンプで「すすめ!!パイレーツ」「ストップ!!ひばりくん!」などが代表作でしょうか。昔々、「すすめ!!パイレーツ」全11巻の中の1巻だけ友人から借りて読んだのですが面白かったです。

江口寿史先生の「江口寿史のなんとかなるでショ!」は、なぜか少女マンガ雑誌ASUKA(現在の表記はAsuka)に掲載されていたのでした。世の中はバブル好景気の直前、ぐんぐんと景気の良くなっていっていた1985年、出版社の角川が少女マンガ月刊誌ASUKAを創刊したのでした。その初期の連載陣の中に江口寿史先生の「江口寿史のなんとかなるでショ!」がありました。ASUKAには他にも美内すずえ先生の「アマテラス」や高口里純先生の「花のあすか組!」が掲載されていました。検索すると「江口寿史のなんとかなるでショ!」のASUKA掲載年月日は1986年~1988年となっていたので創刊と少しズレがありますが、丁度高校2年生でマン研だった私は、ASUKAを定期購読していた同じマン研の友人から毎号借りて読んでいました。
私はどうしてか発売されたコミックス「江口寿史のなんとかなるでショ!」を買いました。いえ、どうしてか…と言えば面白かったからです。そう、面白かったのです。とても、とても。コミックスはASUKA掲載以外のものも収録されていたようなので、ASUKA掲載分はどうだったか記憶にないのですが、コミックスの「江口寿史のなんとかなるでショ!」は、ちょっとHなシーンがあったり、ちょっとじゃないHなシーンもあって女の子が読んでもいいのかなぁ〜?と思う描写も多々あったのですが、それとは全く関係ないところで、とにかく面白かったのです。満員電車を乗客と車両ごとゴジラが食べてしまったり、マッチョでオカマなトーマス兄弟がポーズをつけながら懺悔したり、根暗なうしみつくんが藁人形に釘を打ったりと、とにかく「江口寿史のなんとかなるでショ!」は面白い作品でした。
マン研のみんなでトーマス兄弟の真似をして「それだけならばまだいいが…」と言いながら大笑いしていました。江口寿史先生もASUKA連載時に原稿を落としたのは1回だけだったというので、楽しく描いてくださっていたのだと思います。

1990年には、実写とアニメを使い分けたオリジナルビデオも出したらしいです(Wikipedia参照)。とにかく面白い「江口寿史のなんとかなるでショ!」、子どもの前でDVDを観ることは出来ませんが、TSUTAYA ONLINEで検索したら在庫があるそうなので、こそっと観てみたいものですね(笑)

2015年7月8日水曜日

川原泉先生と「甲子園の空に笑え」

「3月のライオン」に引き続き、ママ友さんからの話題です。
先日、数日早い七夕祭りでマンガの話題で共通点のあるママ友さんとバッタリ会い、「『3月のライオン』読んだよ」と伝えると「私、去年出た川原泉の全集を買おうか迷ってるの」とのこと。
帰って早速検索してみると、全集ではなく傑作集でした。

白泉社サイトによると「川原泉傑作集 ワタシの川原泉」はⅠ~Ⅳ巻まで出ています。2013年に実施した川原泉先生のマンガ作品、短編部門41作品、連載部門9作品の中から読者WEB投票での上位になった作品を本にまとめたようです。

「川原泉傑作集 ワタシの川原泉」Ⅰ~Ⅳ巻までの収録作品は以下の通りです。
Ⅰ巻「美貌の果実ー10月はゆがんでる」「森には真理が落ちている」「空の食欲魔人」「フロイト1/2」「夢だっていいじゃない」「月夜のドレス」「COCOMじゃないし」
Ⅱ巻「オペラ座の怪人」「架空の森」「愚者の楽園ー8月はとぼけてる」「3月革命」「ヴァンデミエールー葡萄月の反動」「不思議なマリナー」「パセリを摘みに」「笑う大天使特別編」
Ⅲ巻「銀のロマンティック…わはは」「大地の貴族ー9月はなごんでる」「カレーの王子さま」「Intolerance…ーあるいは暮林助教授の逆説」
Ⅳ巻「甲子園の空に笑え!」「殿様は空のお城に住んでいる」「ミソ・スープは哲学する」「空色の革命」「アンドロイドはミスティー・ブルーの夢を見るか?」
このように収録されています。
白泉社の「読者が選んだ『ワタシの川原泉』結果発表」は、投票した方々のコメントがあり、楽しく読めました。
http://www.hakusensha.co.jp/40th/result.html

川原泉先生の代表作といえば映画化もされた「笑う大天使」でしょうか。お嬢様学校に内心なじめない3人の猫かぶり乙女が仲良くなり、学校で起きた事件を解決するお話です。
私の場合は、川原泉先生を受賞作品で好きになり、それから川原泉先生が「花とゆめ」でから他誌に移るまで熱心に読んでいました。その中でも、私の記憶の中では川原泉先生の初期作品が大きな存在感を持っています。何しろ、今でも大事に持っている川原泉先生のコミックスが「空の食欲魔人」「カレーの王子さま」「甲子園の空に笑え」だからです。

「悪魔を知る者」の和馬
似てませんが…「悪魔を知る者」の和馬さま小学5年生の時。

私の中でランクをつけるとしたら、3位は「悪魔を知る者」です。性格破綻者の和馬に翻弄されるヒロイン若菜の話ですが、雑誌掲載時中学生だった私は「和馬さまカッコいい!」と思ってしまったのでした。2位はデビュー作の「たじろぎの因数分解」、数学が苦手なヒロイン沙都子ですが、親の再婚で担任の数学教師が兄になってしまいます。因数分解をすらすらと解く先生の姿(沙都子の夢の中のことですが)が素敵でした。1位は初連載作品「甲子園の空に笑え」です。「甲子園へは何マイル?マイクロバスで行けるかな?」とニコニコかわいい豆の木高校野球部ナインが甲子園に行くお話です。監督同士の言い合いが楽しく、最後に泣かされました。
1983年HMC(花とゆめマンガ家コース)受賞作の「ジュリエット白書」は、1985年発行の花とゆめコミックス「カレーの王子さま」収録時に絵を全て描き直してしまったので、それが残念です。私は、雑誌を引っ張り出してコミックスと見比べてしまいました。2年程の間に随分絵が変わりました。その時にはその時にしか出せない味があると私は思うのですが…。
それから、雑誌掲載2作目の「メロウ・イエロー・バナナムーン」は、私の記憶では1983年のビッグチャレンジ賞の受賞作だと思うのですが、ネットで検索をかけても、残念ながらそこは確認できていません。

川原泉先生の作品は、独特の和やかさがありどの作品も素晴らしく笑えます。そして油断していると場合によってはラストで泣かされてしまう話もあります。主人公と誰かがお互いの意見を言い合うような、二人の人間の言葉を交わすシーン、または主人公のモノローグなど、その言葉の選び方使い方の川原泉節な所が魅力的なのだと思います。

2015年7月7日火曜日

羽海野チカ先生の「3月のライオン」

先日、息子の幼稚園で知り合ったママ(世間的にはママ友というのかしら?)とマンガ話をしました。
「おすすめは?」と聞くと羽海野チカ先生の「3月のライオン」とのこと。そういえば、羽海野チカ先生の「ハチミツとクローバー」は全巻大人買いして、娘を妊娠している時に、つわりのために布団でゴロゴロ苦しみながら読みました。2006年の秋のことなので9年前です。
羽海野チカ先生の「3月のライオン」は、白泉社で月2回発行の青年マンガ雑誌「ヤングアニマル」に連載中で、単行本はジェッツコミックスとして10巻まで出ています。2011年にマンガ大賞、講談社漫画賞、2014年に手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞していて、気になっている作品でした。それで、いつだったか一度、雑誌を立ち読みしたのですが、人物の心理描写が暗くて「複雑そうだ」と感じて、それ以来手に取っていませんでした。
幼稚園のホールで一生懸命体操をする息子を応援しながら、「3月のライオン」の内容を尋ねると「将棋の棋士」の話とのこと。「将棋の棋士」!?そうですか。私、何も知らなかったのですね…。
小学3年生の娘が今、将棋に興味を持っていて、4年生から学校で参加することになるクラブ活動では「ゲーム部」で将棋をやりたいと言っていたので、初心者向けの解説などあったら「娘のために」と言って買ってもいいかなと思い(本当は自分が読みたいだけですが)とにかく調べてみることにしました。
家に帰って早速ヤングアニマルのサイトから「3月のライオン」のオフィシャルサイトのボタンを押すと…ヤングアニマルのTOP PAGEは青年誌らしい作りなのですが、「3月のライオン」の可愛らしいこと!
http://3lion.younganimal.com/
猫のがま口や、手芸マスコット、ストラップ、羽海野チカ先生のおなじみの動物キャラがあちこちに顔を出しています。2014年11月にはミュージシャンのBUMP OF CHIKENの新曲「ファイター」とコラボまでしています。すごいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=CiCWbfjf8Tw

それで、結局どうしたかというと、図書館で1巻と2巻を借りて試し読みしました。

1巻の一番最初に出て来る台詞がとても大きい明朝体で「何これ?もっと級数下げてスマートな明朝体できれいに入れて欲しい」と言うと、主人曰く「『エヴァンゲリオン』以来そういうのが流行しているんだよ」とのこと。(級数とは25年前の写植用語です。もと印刷会社勤務なので…。)文句はいいましたが、インパクトはあります。日曜日だというのに、子どもも主人も放って、もう夢中で読みました。2巻に収録のChapter.15には、ちゃんと初心者向きの将棋の解説も載っていますし、これで「娘のために」という言い訳が通用します(笑)
「3月のライオン」二階堂くん
大好きな二階堂くん。暑苦しくって素敵です!

「3月のライオン」は、羽海野チカ先生らしい心理描写でぐいぐい読ませます。主人公の桐山零は偶然知り合った川本家の人々と、家が近いとはいえ、よく道ばたで会います。また、あかりお姉ちゃんは、やせた動物を拾って来て丸々太らせるのが好きという人物です。どんなに近くに居ても会えない人には会えませんが、必要なもの、繋がっている人にはきちんと会えると私は思いますし、鳥や動物を拾った経験のある私は、あかりお姉ちゃんが桐山零を拾ったことは偶然ではなく必然だと思います。同じように肉親を失い、その悲しみを心に抱いていることが、この物語の中で桐山零と川本家の人々を繋げたような気が私にはします。
まだ2巻までしか読んでいませんが、川本家でどんどん食べて、どんどん太ってくれるよう、桐山零の幸せを祈ります。

さて、1〜10巻まで大人買いは無理なので、毎月1冊づつ購入しようかと思います。

2015年7月6日月曜日

大場つぐみ先生と小畑健先生の「バクマン。」

「バクマン。」映画の予告編が、YOU TUBEにアップされましたね。
www.youtube.com/watch?v=AjuyrRTqfkE
もう6日前のことですが。

「バクマン。」と同じ大場つぐみ先生と小畑健先生の作品DEATH NOTE」のテレビドラマが、7月5日夜10時から日本テレビで始まりました。
夜神 月 役が窪田正孝さんです。残念ながら「DEATH NOTE」は読んでいないので、ただ単に番宣に窪田正孝さんがバラエティ番組等に出てくれて嬉しい…という感じです。「DEATH NOTE」ファンの皆様申し訳ありません。

それで、話を「バクマン。」に戻します。
映画「バクマン。」に関しては、真城最高役が佐藤健さん、高木秋人役が神木隆之介さんで、私のイメージからすると「キャスティングが逆じゃないの?」と内心思いました。ネット上で同じようにの書き込んだ方が他にいたので、少しホッとしましたが、ふと、「ガラスの仮面」の中に出て来た芝居「ふたりの王女」でも、華やかな姫川亜弓に暗いオリゲルド役、地味な北島マヤが華やかなアルディス役を演じたことを思い出しました。ミスキャストと思われた「ふたりの王女」は大成功をおさめたのです。それは、少女マンガの中の出来事ですが、自分のイメージで決めつけるのは良くないのかもしれません。大根仁監督のイメージは真城最高役が佐藤健さん、高木秋人役が神木隆之介さんということですね。
ちなみに、マンガ「バクマン。」のキャラクターでは新妻エイジが好きです。天才で変わり者、的確にズバッと物を言うところが格好良いですね。染谷将太さんは、私の中ではソフトバンクの犬のお父さんの若き日の姿として定着しているので、映画「バクマン。」でどのように新妻エイジを演じてくださるのか楽しみです。

「バクマン。」新妻エイジくん
私が描くと少女マンガ調のエイジ(汗)

マンガ「バクマン。」は、主人公だけでなく他の登場人物一人一人が魅力的で、他のマンガ家さんの恋愛模様や挫折、成功なども描かれていて、その中に素晴らしいギャグ描写の味付けがあり、夢中で読める作品だと思います。NHKのEテレで放送されたアニメ「バクマン。」は、原作に忠実だったと私は思いますが、映画は2時間程の限られた中で、どこを切り取っていくのかという興味もあります。映画キャストの中に高木秋人の奥さんと福田組の蒼樹紅役は発表されなかったということは、映画には出て来ないということだと思うので、ちょっと残念です。平丸一也と蒼樹紅の恋愛話をスピンオフで実写TV単発ドラマ化とか(笑)良いと思うのですが。

映画は、10月3日からのロードショーが待ち遠しく感じます。とにかく期待しています。

2015年7月2日木曜日

清水玲子先生の「パピヨン」

6月29日に図書館からマンガを3冊借りて来ました。
高橋留美子先生の「高橋留美子劇場1」、
あだち充先生の「じんべい」
清水玲子先生の「パピヨン」です。

その中の、清水玲子先生の白泉社文庫版「パピヨン」について。

清水玲子先生の白泉社文庫版「パピヨン」には
「パピヨン」「MAGIC」「サイレント」の3作が収録されています。
3作ともLaLa本誌掲載時に読んでいますが、久しぶりに読み返しました。


ナザレ王子
「パピヨン」のナザレ王(王子から王になりました)の似顔絵です。

「パピヨン」は、アトラスの王子ナザレが敵国(星?)デルタ訪問中に
2国間の戦争が始まり、身分を隠したままデルタの少年院に入れられ、
かつての侍従サラートとイオの助けを借りて
デルタの衛星を破壊しアトラスの危機を救うというSF作品です。
侍従サラートとイオが格好良く、生物兵器として扱われるプラナリアに注目です。
「MAGIC」は、惑星サシャの磁気嵐に巻き込まれた親子、
遠留(トール)と花七(カナ)の切ないSFラブストーリーです。
「サイレント」は日本の現代物。
暴力団抗争に巻き込まれ重傷を負った兄の復讐のため
暴力団幹部を次々襲う少年碧と
それを止めようとする少女葵のラブストーリー?です。
清水玲子先生のマンガは、絵がきれいで華があり、
見せ方を心得ていてストーリーがきちんと組み立てられていて
文句のつけようがありません。

「パピヨン」以外の清水玲子先生の作品については、
個人的には初期の作品「ノアの宇宙船」「もうひとつの神話」
「ナポレオン・ソロ」などが好きです。特にナポレオン。
ナポレオンは一つ目まん丸で一途な可愛いロボットです。

清水玲子先生といえば、
「月の子 MOON CHILD」「輝夜姫」「秘密 THE TOP SECRET」が代表作と言えますが
今は「秘密 THE TOP SECRET」の実写映画化で話題ですね。
白泉社サイトはこちら。試し読みもできます。
http://www.hakusensha.co.jp/himitsu-eiga/
映画公式サイトはこちら。でも、今のところ監督さんや俳優さんの名前のみです。
http://himitsu-movie.jp/
でも、亡くなった被害者や殺人犯などの脳を見る話なので、
グロテスクな描写が苦手な人はマンガも映画も用心が必要かもしれません。
「秘密 THE TOP SECRET」の1巻の最初に入っている話は、
連載を始める前の読み切り作品で、アメリカが舞台で描写もソフトな印象です。

清水玲子先生は、どれをとっても傑作だと思いますが
最も印象に残っているのは、「月の子 MOON CHILD」です。
人魚大好きな私ですが、ヒロインが人魚の「月の子 MOON CHILD」は
入り組んだ物語で、人魚マンガでくくるわけにはいきません。
その最終回、ベンジャミンが少女らしくなり、平和なもう一つの未来
考えさせられるラスト、色んな人に読んで欲しい名作だと思います。

あだち充先生の「じんべい」

6月29日に図書館からマンガを3冊借りて来ました。
高橋留美子先生の「高橋留美子劇場1」、
あだち充先生の「じんべい」
清水玲子先生の「パピヨン」です。

どうしてそれを選んだかというと
その3冊が、たまたま図書館のマンガの棚にあったからです。

今回は、あだち充先生の「じんべい」について。

あだち充先生の「じんべい」は、
血の繋がらない父娘のラブストーリーです。
1998年にフジテレビの月9でドラマ化されました。
主演は田村正和さんと松たか子さんでしたが、
SMAPの草なぎ剛さんが出演されていて
SMAPファンの私は観たい観たいと思いつつ
当時は仕事で毎日終電帰りでしたから
テレビドラマを観ている時間がなく、
結局一度も観ないまま終わったのでした。

あだち充先生は小学館のマンガ雑誌で
ヒット作をたくさん描いているマンガ家さんで
少女マンガ雑誌でも
1980年~1981年に週刊少女コミックで「陽当たり良好!」、
1986年~1991年にちゃおで「スローステップ」を描いていました。

私の世代は圧倒的に「タッチ」ファンが多いのですが
私は「みゆき」のファンで、
浅倉南ちゃんより若松みゆきちゃんが好きです。

「みゆき」の若松みゆき

「みゆき」の若松みゆきちゃんのつもり
あだち充先生の作品は、
小さなエピソードを連載でコツコツ積み重ねていって
その積み重ねの結果として最終回がやってくるという感じで
派手ではないけれど、その小さな積み重ねを飛ばすと
物語として成り立たなくなるというか、物足りないというか
「じんべい」は7話で1冊の完結した物語で
それはそれで面白いのですが
「タッチ」や「みゆき」のような長さがあった方が
面白味が増すような気がします。

ただ、「ショートプログラム」のような短編もとても面白く読めます。
私は、「ショートプログラム」に収録された「むらさき」は
少女マンガ雑誌ちゃお掲載時に読みましたが
「赤か青か」と問われて「むらさき」だと答える
台詞の妙に打たれた記憶があります。

2015年7月1日水曜日

高橋留美子先生の「高橋留美子劇場1」


一昨日、図書館からマンガを3冊借りて来ました。
高橋留美子先生の「高橋留美子劇場1」、
あだち充先生の「じんべい」
清水玲子先生の「パピヨン」です。

「高橋留美子劇場1」「じんべい」「パピヨン」のカバー写真


どうしてそれを選んだかというと
その3冊が、たまたま図書館のマンガの棚にあったからです。

今回は、高橋留美子先生の「高橋留美子劇場1」について。

高橋留美子先生の「高橋留美子劇場1」は
1987年から1993年の間にマンガ雑誌ビッグコミックオリジナルに
発表された6つの作品が収録されています。

Pの悲劇」は、ペット禁止の団地で動物を飼うお話、
「浪漫の商人」は、閉鎖を決めた結婚式場で最後の結婚式を挙げるお話、
「ポイの家」は、ごみ捨て場に間違えられる家のお話、
「鉢の中」は、預かった鉢植えの中から人骨が見つかるお話、
「百年の恋」は、90歳のおばあちゃんが昔好きだった男性と似た男に出会い、
その男の恋の成就を心配するお話、
Lサイズの幸福」は、大きな座敷童に居つかれながら、家を買うお話です。

「鉢の中」はシリアスな話ですが、それでも最後に救いがあると思います。
5作品は人と人との関わりの中におなじみの笑いがあります。
私は個人的には「Lサイズの幸福」が好きです。座敷童がかわいいです(笑)

今更、このブログで何か書くのも気が引けますが、
高橋留美子先生は小学館のマンガ雑誌で連載した作品は
「うる星やつら」「めぞん一刻」「らんま1/2」
「1ポンドの福音」「犬夜叉」「境界のRINNE」
この全てがアニメ化されている、
誰もが知っている大人気マンガ家さんです。
私は高橋留美子先生の作品の中では「うる星やつら」が大好きです。
私はラムちゃんのようなつり目の女の子に弱いのです。

高橋留美子先生の「1ポンドの福音」が
私が娘を産んだ2007年にきちんと完結していたことを、
今回ブログを書く為の下調べで初めて知りました。
3巻までは集めていましたが、続きが出ないので手放してしまいました。
1987年からの不定期連載で20年かけて完結ということで、
4巻ですが長くかかっていますね。
今更ながら、まとめて読みたいというのが正直な気持ちです。
どんなお話かというと、もう昔過ぎて覚えていないのですが
ボクサーの男の子がシスターに恋するお話です。
これでは何のことかわからないと思いますが、
高橋留美子先生ですから面白いことは請け合います。

今は、家族みんなでEテレの「境界のRINNE」に夢中になっています。
原作のマンガの方を読んでいないので、気になります。
読みたいですね。