2015年7月2日木曜日

清水玲子先生の「パピヨン」

6月29日に図書館からマンガを3冊借りて来ました。
高橋留美子先生の「高橋留美子劇場1」、
あだち充先生の「じんべい」
清水玲子先生の「パピヨン」です。

その中の、清水玲子先生の白泉社文庫版「パピヨン」について。

清水玲子先生の白泉社文庫版「パピヨン」には
「パピヨン」「MAGIC」「サイレント」の3作が収録されています。
3作ともLaLa本誌掲載時に読んでいますが、久しぶりに読み返しました。


ナザレ王子
「パピヨン」のナザレ王(王子から王になりました)の似顔絵です。

「パピヨン」は、アトラスの王子ナザレが敵国(星?)デルタ訪問中に
2国間の戦争が始まり、身分を隠したままデルタの少年院に入れられ、
かつての侍従サラートとイオの助けを借りて
デルタの衛星を破壊しアトラスの危機を救うというSF作品です。
侍従サラートとイオが格好良く、生物兵器として扱われるプラナリアに注目です。
「MAGIC」は、惑星サシャの磁気嵐に巻き込まれた親子、
遠留(トール)と花七(カナ)の切ないSFラブストーリーです。
「サイレント」は日本の現代物。
暴力団抗争に巻き込まれ重傷を負った兄の復讐のため
暴力団幹部を次々襲う少年碧と
それを止めようとする少女葵のラブストーリー?です。
清水玲子先生のマンガは、絵がきれいで華があり、
見せ方を心得ていてストーリーがきちんと組み立てられていて
文句のつけようがありません。

「パピヨン」以外の清水玲子先生の作品については、
個人的には初期の作品「ノアの宇宙船」「もうひとつの神話」
「ナポレオン・ソロ」などが好きです。特にナポレオン。
ナポレオンは一つ目まん丸で一途な可愛いロボットです。

清水玲子先生といえば、
「月の子 MOON CHILD」「輝夜姫」「秘密 THE TOP SECRET」が代表作と言えますが
今は「秘密 THE TOP SECRET」の実写映画化で話題ですね。
白泉社サイトはこちら。試し読みもできます。
http://www.hakusensha.co.jp/himitsu-eiga/
映画公式サイトはこちら。でも、今のところ監督さんや俳優さんの名前のみです。
http://himitsu-movie.jp/
でも、亡くなった被害者や殺人犯などの脳を見る話なので、
グロテスクな描写が苦手な人はマンガも映画も用心が必要かもしれません。
「秘密 THE TOP SECRET」の1巻の最初に入っている話は、
連載を始める前の読み切り作品で、アメリカが舞台で描写もソフトな印象です。

清水玲子先生は、どれをとっても傑作だと思いますが
最も印象に残っているのは、「月の子 MOON CHILD」です。
人魚大好きな私ですが、ヒロインが人魚の「月の子 MOON CHILD」は
入り組んだ物語で、人魚マンガでくくるわけにはいきません。
その最終回、ベンジャミンが少女らしくなり、平和なもう一つの未来
考えさせられるラスト、色んな人に読んで欲しい名作だと思います。