2015年9月9日水曜日

マンガ家の描く文庫本カバーイラスト

小学校で朝から読み聞かせのボランティアに入った時のこと。娘の教室で絵本を読んだ後に図書室に行き、他のクラスで読み聞かせをしたボランティア仲間と学校司書の方を交えて、しばし本について語りました。

最近、娘の通う学校の学校図書館では子どもたちにライトノベルが人気で、それもライトノベルをゲーム化したものをゲームからライトノベルへと辿り着く子どもが多いようです。そんな中、子どもからリクエストがあったということで購入した本に、赤川次郎先生の『三毛猫ホームズ』シリーズがありました。ところが、リクエストをしたのは男の子だというのに『三毛猫ホームズ』のカバーイラストは女の子が好む少女マンガ的な可愛らしいものでした。これでは男の子は借りないかもしれないねとみんなで話しました。

私も中高生の時に赤川次郎先生の本をたくさん読みました。当時の赤川次郎先生の本のカバーイラストはイラストレーターの北見隆さんや永田力さんの素敵なものでした。その頃、私は赤川次郎先生と並行して新井素子先生の作品もたくさん読みました。新井素子先生の『星へ行く船』シリーズは竹宮恵子先生のカバーイラストでした。でも、これが当時、竹宮恵子先生のマンガ『私を月まで連れてって』が大好きだった私にはたまりませんでした。今でも、竹宮恵子先生のカバーイラストとともに『星へ行く船』の新井素子先生特有の文章を読むと中高生の頃の気持ちが蘇ります。高校生の頃は、山崎太一郎さんが私の理想の男性像でした。

今なら、マンガ家の方がカバーイラストを描いた文庫本を買うのには抵抗がありますが、小畑健先生が描いた太宰治の『人間失格』、吉野朔実先生の『こころ』『三四郎』『坊ちゃん』…発売当時、名作小説のカバーイラストにマンガ家を起用して売り上げを伸ばしたと話題になりましたね。ライトノベルならいざしらずと思ってしまうのは私の了見が狭いのでしょうか。
とりあえず、『三毛猫ホームズ』シリーズは男女問わず読めるように抵抗感のないカバーイラストになるとよいですね。
2015年9月9日(水)