2015年6月22日月曜日

あしべ ゆうほ先生と「うしろの正面だあれ?」

あしべ ゆうほ先生といえば、
「クリスタルドラゴン」や「悪魔の花嫁」が有名ですが
私の中では「テディベア」や「うしろの正面だあれ?」が
印象に残っています。

「悪魔の花嫁」は怖くて1、2巻しか読んでいません。
「クリスタルドラゴン」はなかなか先に進まない状態で、
途中で読むのを諦めました。

「テディベア」は、雑誌掲載時に読んだ記憶があります。
「ひとみ」だったか「ボニータ」だったか…。
アーロのプラチナブロンドに憧れていました。
そのお話はきちんと終わっていなかったように記憶しています。

「うしろの正面だあれ?」もコミックスに収められた以外に
続きがあったような気もするのですが記憶違いかもしれません。
ただ、1話ごとに話がまとまっているので、コミックスを読む分には問題ありません。

1978年の作品なので、まだ絵も多少不安定ですが
お話はとても面白かったと記憶しています。

「うしろの正面だあれ?」の優と円
似てませんが優と円…マックスの輪郭を思い出します。

第1話は、子供たちがおとぎ話の里に行くお話です。
進、優、円の3人兄弟には乳母がいます。この乳母が実は山姥なのです。
人間がおとぎ話を信じなくなったために、
おとぎ話の住人達は存続の危機にさらされています。
瀕死の河童を見舞いに山姥が里帰りする際に
まだ小さい優と円を連れて帰ります。
そうして、死にかけた河童は優と円が「河童だぁ!」と叫んだ途端に元気になります。
自分達を存在させるために優と円を里に捕らえておこうとする竜田姫ですが
最後には「おとぎ話みたいだね」という優と円の言葉に
もう一度人間を信じてみようと決めるのでした。
受験生の進は、山姥の代わりに世話係りとして家に残った雪女のために
寒さで熱を出し受験に失敗。浪人生になりますが…。

1話完結のように見えますが、次に続く伏線が上手に張ってあります。
コメディタッチでテンポ良く物語が進み、シリアスな展開の多い
あしべ ゆうほ先生の作品の中では、ひときわ明るい仕上がりになっています。

流れる水のあるところに現れることのできる竜田姫、
迫力満点の登場ですが、トイレだったり噴水だったり(笑)
おとぎ話の住人が現実世界にやって来ます。

「妖怪ウォッチ」の大ヒットで彼らの存在感もぐっとアップしました。
「うしろの正面だあれ?」久しぶりに読み返してみたい気持ちがします。