2015年6月18日木曜日

手塚治虫先生と「ユニコ」そして「リリカ」


誰も知らないような、隠れた名作少女マンガを地味に紹介したい
と思って始めたブログなのに、メジャーな作品ばかりを
取り上げている気がします(苦笑)

少女マンガといえば、手塚治虫先生が描いた「リボンの騎士」が
その始まりとされていて、私もテレビアニメの「リボンの騎士」は
再放送でしたが一生懸命見ていました。

手塚治虫先生と言えば、マンガの神様と言われ
私も、子どもの頃に友人のお父さんが所蔵していた
「三つ目がとおる」「ブラックジャック」を読みましたが
その印象は「恐いマンガ」というものでした。
何しろ、キラキラお目々の女の子が憧れの男の子に片思いする少女マンガと違って、
「三つ目がとおる」は悪魔のプリンスですし、
「ブラックジャック」は医療物で人の生死を扱うマンガです。
ブラックジャックが助けた患者が最後に交通事故で死ぬというお話を読み
子ども心にずんときました。

そんな私も1976年から1979年までサンリオから発刊されていた
リリカを創刊号から愛読し、廃刊になる29号までを欠かさず購読し、
そこに連載されていた手塚治虫先生の「ユニコ」の大ファンでした。

リリカと言えば、カラーイラストがふんだんに盛り込まれ
豪華な執筆陣に左綴じ台詞横書きが特徴の少女マンガ雑誌でした。
確かリリカ創刊号は水野英子先生の絵でTVCMを流していて
もともとサンリオの商品が大好きだったこともあり
高校生までは創刊号から廃刊までの全29号を大事に保管していました。
処分してしまったのが今も悔やまれます(涙)

ネットで詳細を調べてみると、
記憶からこぼれ落ちて思い出せないマンガも多々あるのですが
心に残っているもの、タイトルを見て思い出したものもありました。

文月今日子先生の「ぼくと遊ぼうよ」は可愛らしい妖精の男の子のお話で
ずっと切り取って取っておいたほど大好きな作品です。
内田善美先生の「オレンジ月夜のイカロス」は、そのイラストの美しさが圧巻でした。
大原まどか先生の「幸福なフランチェスカ」は悲恋もので、
愛し合う二人が最後に死を選ぶという今も印象に残っているお話です。
松苗あけみ先生の「想い出を売る店」はぶーけコミックスに収録されていたと思いますが
小さなお店で小瓶に想い出を詰めて売るというお話…だったような。
白沢冬香先生の「5色の虹に愛をこめて」は白沢冬香先生のデビューとなった
リリカでの受賞作だったような気がします(違ったらごめんなさい)。
本来7色と言われている虹を古代人(ヒロイン)が見ると
色を見分けられず5色に見えるという、博士と古代人のラブコメディだったような。
市川みさこ先生の「ペンキンさん」はギャグマンガ。
「ペンキンさん」が大好きで、母にフェルトでマスコットを作ってもらいました。
不思議なことに、リリカより後に熱心に読むことになる
萩尾望都先生や竹宮恵子先生、高橋亮子先生の作品に関しては全く記憶にありません。

そんな中で、手塚治虫先生の「ユニコ」は
増刊号として発行された「ユニコ」の総集編は2冊とも購入しましたし
映画も見て、レコードも買い、本当にはまっていました。
映画の主題歌「愛こそすべて」や「本当は淋しくて」は今でも歌えます(笑)

ユニコ

ユニコ頑張って描いてみましたが、難しい(>_<)!

「ユニコ」の物語の初めは神話をもとにしています。
美の女神ヴィーナスに嫉妬された人間の少女プシケには
幸福を呼ぶというユニコーンのユニコがついていて
ヴィーナスの命令で西風の精がユニコを忘却の丘に連れ去り置き去りにします。
何もかも忘れたユニコは、
出会った人間(インディアンや浮浪児、時には悪魔や猫)と仲良くなり
その愛情で不思議な力を発揮して、愛する人を守り、幸せにします。
誰かを幸せにする度に西風の精がユニコを連れに来て、
また記憶を無くし…という物語です。
最終回がどんなお話だったか覚えていないのですが…。

先日、横浜ジョイナスの書店LIBROで「ユニコ」の特装版というのを
目にしました。上下巻セット、Amazonでは6696円でした。
高いですが、リリカ掲載当時のカラーイラストがそのまま再録されているとしたら
なんだか欲しい気もします。
何しろ、1 話まるまるカラーで描いているものもあるのです。
1 話まるまるカラーだなんて「リリカ」も手塚治虫先生も凄かったのだなぁと
今にしてしみじみと思うのでした。

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